2014年6月27日金曜日

虫の脚


イギリスに来て二週間が経とうとしています。
この二週間、電車の窓に張り付いた忍者ハットリ君のような虫みたいに過ごしていました。

今まではイギリスに来ても少しの滞在だからと心のどこかに思っていて
あまり知り合いを作ることもしなかったのですが、やはりどこか自分の心の中の面持ちが少しは違うようで着々と何かが形成されているようです。

今まで話をしたことのなかった人達と話をする機会があったり
今見ている世界がいつもの日常とは大きく違うので
私にとってはこの1分1秒全てが勉強のようです。

朝は毎日のようにエージェントに行って、ハグとほっぺた同士の挨拶を交わして
スケジュールをもらって、よっぽど遅くならない限りは帰りにまたエージェントに寄って、今日のスケジュールを与えてくれたことに感謝をしてハグとほっぺた挨拶で一日を締めています。
とりあえず大事なことだけはすっ飛ばさないように出来ることから始めています。

色んな所に毎日行くので少しずつですが前より英語も出てくるようになったのと、エージェントの下にその建物の管理人のおじさんがいるのですが、毎朝ご機嫌を問い、天気の話を必ずするので今までHow are you?と聞かれてもfineとgoodくらいしか言い方がわからなくて、時差ボケでスーパー頭が痛い日もI'm fine! 山村ノロ未の千鳥足だった日もI'm good!Thank you!と言っていたのが少しずつおじさんのその日の気分により日常のちょっとした受け答えの言い方を覚えてきたように思います。

とにかく来て一週間はいつもと違った日常に、目の前に突然現れてくれる人達との出会いと時間が奇跡のように思えて、どんな小さなことも今は凄く喜びを感じています。

これは東京に初めて来たときもこんな感じだったなあと思って、私はまたこうしてこの感覚を感じられて、これを少しの間楽しんで、あとは今このイギリス生活を一生忘れないようにやりたいことが一つあって、それを今楽しみにしているところです。

今は出来ないことの方が多いですが、毎日少しずつ自分の体がこの土地の気候や水に慣れて、話せる言葉や時間が少しずつ増えていることに少しでも自分が毎日変わっているのかなあと実感できる環境にすごく感謝をしています。




2014年6月16日月曜日

運ぶ

無事にイギリスに戻ってきました。

何だかここに来るまでに色んな色んなことがありました。
正直言うとまたイギリスに戻って来るかはずっと定かではなくて
でも日本に帰った3ヶ月、色んな方々とお会いして、これまでもお世話になっていた方や初めてお会いした方が沢山の言葉や教えを下さったお陰でまたここに戻って来られたと思っています。

上京して初めての一人暮らしの西日に、一体何をすれば良いのか分からなくて
とりあえずその町にあった古本屋のおじさんに
田舎の駄菓子屋同様 「おっちゃん!」 と声をかけてしまってから
どこか遠くへ行く度 自分の身を運ぶことは「運」と書く とそのように言ってくれました。

人生の少しの時間、自分の身をいつもとは違った環境下に置いて
良いことも良くないかも知れないこともその時々に生き抜く知恵を授かって
より一層心を豊かにできるようにこれからもっとこの仕事に感謝していきたいと思います。


(c)Sayaka Maruyama

まだまだ眩しくて眩しくて

2014.6.15 山村 紘未