2018年2月28日水曜日

レシピの気合い

先週末、恒例になりつつあるフードコーディネーターのあさちゃんとご飯会をしました。
ご飯会と言っても、私共の思いつきの料理と、エエ人達とエエ時間を過ごすという趣旨の会です。今回は昨年からよく話題に上がっていた、ジュリー&ジュリアという映画が好きだということで、そこから一つ二つレシピを解読し、ブフ・ブルギニオンをメインとして、フランス料理に挑戦しました。

先月数日間パリに行った時に、Van Cleef & Arpels のショーの時の衣装を担当しているYurkievichさんたちとご飯に行きました。「CHEZ LA VIEILEE」(日本語だとこちらがわかりやすいかと思います)という1区にあるレストランに連れて行って頂いたのですが、オールドスタイルのフレンチだそうで、フランス料理も日本のご飯みたいに素材の味を物凄く大事にするのだと、素材に対するリスペクトと繊細さを知って帰りました。

今回ジュリアのレシピの他にフランス料理のレシピを色々見ていたのですが、
中でも「北島素幸のフランス料理 僕はトラディショナルを追求する」



というハードカバーのレシピが物凄く気に入って、
うまく言えないけれど、このレシピの大切にしている心や伝えたいという気持ちや、何かをリスペクトしている気持ちや、自分の人生に対する何かが、レシピや写真を見ただけで伝わってきて、
本の最後にはシェフの色々な人生だったりが恐らく書かれているのだと思うのですが、それを目にする前から伝わって来る気合いが違って、私の好きなレシピ本になりました。

最近は確かに、ささっと作れて簡単手軽なものがレシピとしては良いのかもしれませんが、いかに作者がこのレシピ本を愛し、リスペクトや自分の料理に対して一貫して譲れないものがあって、静かに追求し続けているものは、素人の私ですらジリジリ伝わってくるものがあります。ご飯もおいしくて、手間暇かけて作ったら、誰かが手間暇をかけて作ってくれたものに自分も気が付きます。

上京したての頃、撮影のお疲れさま会でチームの人達とご飯を食べに行きました。まだ食に対して十分楽しめるほどの余裕がなかった時だったので食に対しての興味は薄く、だけどその時にスタイリストさんが「メニューを見れば愛情が分かる」と言っていて、人生で聞いた事も無かった言葉だったので、その時はそんなことも分からなかったけど、何だか今では少しわかるような気もしています。

そしてここでブログを終えようかと思ったのですが、失礼の無いように北島さんについてお調べした所、「北島亭」という東京の四谷にある御料理屋さんのシェフをなさっている方だそうです。
そしてまた失礼の無いように、レシピの最後をぱたりと広げたら、
「本当の愛情って何だ?」という見出しに
私が初めてこのレシピを広げて感じた「愛情」や「気合い」について書かれていて、
レシピを広げて感じたそのままが伝わってきている、とますます感動をしてしまいました。また一つ行ってみたい御料理屋さんが増えました。

2018年2月24日土曜日

小さなお花

今日はお休みだったので、朝からお花を買いに行きました。
ロンドンに居た時にホームステイ先のエディターのケイトが毎週フラワーマーケットの度にお花を買って帰っいて、その習慣がとても好きでした。

私はあまり大きなお花をたくさんという感じではなく小さなお花を一本買って帰って、それを毎日のように愛でるのが好きで、さっき小さくて白いお花を一本買って、八百屋さんに行ったら、そこのレジのお姉さんはいつもお客のことをよく見ていて一言何か言葉をくれるんです。
「リップの色が今日は新しいですね」とか
今日は「持っているお花がとても可愛いですね。
白くて小さなお花とっても可愛い」

少しですがそんな会話を楽しんだ末に八百屋さんに行ったのに最後なぜかガーベラのお花を頂いて、「うちたまにお花もあって」と上から持って来て下さったのです。

もうなんか溢れるものがとまらないくらい嬉しくて、小さな会話が大きな感謝になりました。これだけで今日一日が素敵になることは間違いなく、本当に嬉しいです。

ありがとうございます。

2018年2月22日木曜日

友人とのご飯

コペンハーゲンから友人が帰って来ました。いつも急に現れて急に居なくなってしまうけど、私に新しい世界をいつも教えてくれる。勉強や勉強やと言うて、美味しいご飯に合うワインとかの感想を自分なりに持ってみるとか、どういう味を自分が好むのか知るように促してくれる。



今回教えてくれたお店は神泉に新しくオープンした「Turn Table
このお店の魅力はなっちゃんのブログから


専ら最近食に、美味しいとか素敵とかの何がっていうことを深く追求するところまではまだ行けてないのですが、興味を持つ事で色々教えてくれる人たちが居て、最近は美味しいご飯を素敵な人達と食べてエエ話をするというのが幸せな時間だと実感しています。

昨日は大好きな純さんとノリさんと神保町でご飯を食べました。
知り合って5、6年私の色んな変動期も知ってくれていて、色々を受け入れてくれる二人との時間は凄く楽しく幸せでした。
そんな素敵な時間を過ごすといつも色んな人から決まって連絡が来るのですが、そんなことも嬉しく。

今日はいつもお洒落や素敵なモノやコトを教えてくれる純さんに、専ら最近はご飯に興味が湧いて、器とかに興味を持つようになったと伝えたら、これまた色んな情報を教えて下さって、いつも純さんのお家に行っては、今まで色んなご飯を食べさせて下さったのですが、お皿や急須や色々がとにかく素敵なんです。
今日教えて頂いたArts+stellasという荻窪にある器屋さん。荻窪に行く楽しみが増えました。

以前他の人から教えて頂いた水道橋にある「千鳥」という器屋さんにこの前行って、感動をたくさんして、感動をたくさんしたは良いが、自分が何が好きなのか本当に分からなくて、見るだけ見て終わってしまいました。
好きなものが分かるのも随分時間がかかるので、でもお洋服もそうだったなと思い、色んなものを試してみる事から始めないと始まらないので、とにかく今年は自分の好きにも近付いて、また自分にとって素敵な時間をとにかく過ごすということを知りたいです。

2018年2月14日水曜日

長い旅の途中も

長い長い物語を読んだ。自分がこういう物語に出会うと思わなかった。
今まで幾度となく本を読まないと、本を読まないとと思って来たのだが、じっと本を読んでいられる自分がいなかった。

中学校3年生の時に担任が国語の先生だった。
先生は本を読む事をとにかく生徒にすすめていて、先生に「本を貸して下さい」と言って良かった。どんな本が良いかと先生に聞かれて、そんなことが分かる子もいれば分からない子もいたので、先生はきっとその子に合った本を選んで貸してくれていたに違いない。
借りるときの条件は必ず感想文を添えて返却する事だった。
「今から読めば高校受験には間に合わないけど、大学受験には間に合うから、本を読みや」といつも言っていた。本当自分にはその言葉が心に残るくらい本を読まないとと思って来た事だったので、今でも心に残っている。

ここ数年で本を自分が読むという行為について習慣化はされていないがパターンが分かってきた。

舞台を自分がやる前は、急激にアウトプットが続く日々に備えて、なぜか足早に色んなものを見て身体に入れようとするパターン。
海外から帰ってきたときに、日本語が欠乏して、純文学を欲するようになるパターン。夏目漱石を読んでゲラゲラ笑う自分を疑ったほどだ。

だいたいこの二つが大きく気持ちを占めていた。
つい先月、クロワッサンの昨年度の8月号を読んだ。本の特集だった。本を読むという事について、それぞれの人の人生にとって大切である本の紹介や、本を評論する人からの本に対する想いや、本を書く人からの言葉。これを読んでからというもの、私の中で本に対する考えが変わったのだ。
それからというもの、なぜか少しずつだが本を読めるようになった。

今回出会った本は恩田陸さんの「上と外」



登場人物が自分の死を感じる場面に何度も直面する。その直前の感情が書かれている登場人物の心情には、これはこんな感情を想像して書けるものなのであろうか、もしそうでなかったらこれは本当に経験した感情なのだろうか、
物語を早く先へ先へ読みたいと思わせてくれるものだった。510ページほどあるその本の左手が軽くなって来た頃、早く読みたい気持ちとこの本を読みきってしまっては日常の楽しみが減ってしまうと思った。いつもより長くお風呂に浸かっていた、電車を乗り過ごしてしまった。この一冊のお陰で私の日常は変わった。とても楽しかった。いつも読み続きのページを開いてもその物語は待ち構えていてくれたし、ページを閉じた時には、自分の気持ちは目の前の世界に新しかった。


2018年2月12日月曜日

最近のこと

最近急に自分の見るものや感じるものが変わったような気がして、少し大人になったのだろうかと思っている。「自然のもの」という題材があったとしたら、まずお花だったりお野菜だったり、木だったり植物だったり、皆とても美しく力を与えてくれる存在である。


最近Van Cleef & Arpelsのお仕事があった。かねてからお世話になっており、一番最初は京都の大覚寺で行われたショーだった。衣装にはGaspard Yurkievichさんが入っていて、彼らとの出会いもそれが初めてだった。こんなに素晴らしいショーがこの世にあるのかと驚いたのも事実、そしてこんなに大きな素敵なジュエリーがこの世に存在することを知ったのも初めてだった。そして何度か回を重ねて、普段からすると2日間の長い時間ではあったのだが、全然疲れなかったのと、逆に綺麗な力が擦り込まれたかのように自分自身が輝いているような気がした。

ジュエリーの説明を聞きながら、見ているジュエリーがあまりに大きく美しいものだったので、それが自然のものであるということに今まで脳が反応していなかった。ジュエリーは自然のものだ。だからかと。初めて思った。

色々と見ているうちに、トルコ石の小さめのピアスがとても気になった。ディスプレイの仕方も、シルバー色とダイヤモンドの組み合わせの輝きの中に一番端っこに小さくトルコ石色(?)のピアスがいた。何だかクラスに一人いる感じの(スイミーみたいな存在を想像して頂ければと思います)、彼女が非常に気になって、気になって。

ずっとピアスを開けて来なかったけれど、Van Cleef & Arpelsのお仕事に出会って、何年か前に初めて開けたのだ。そして自分がこれはと思える年齢や感性に近付いた時、何かをやり遂げた時に一つ自分にプレゼントしようと思っていた。私これにする。だから何か「やり遂げた」と自分に思えるようにやる。


2018年2月9日金曜日

中津のカンテ・グランデ



大阪で仕事があったのでチャイの師匠に会いに行って来ました。
チャイの師匠の聖地である中津のカンテ・グランデにも初めて行きました。
今日高島屋の友人と話していたのですが、カンテ・グランデがチャイの先駆けだという事を初めて聞いて、確かにチャイのメニューが充実していることに驚きました。

師匠とはチャイを習う以外に話をあまりしたことが無かったので、色々話が出来て嬉しかったです。出会いの始まりは丸の内の丸善で本をジーッと見ていて、目に留まったのがチャイの師匠の本だったのですが、今まであまり本を買うということに至らなかったので、その本を買って、その通りにチャイを毎日作って、この本の主は一体どんな人なんだろうと昨年の夏、大阪にトークショーを聞きに行きました。

師匠からするとだいぶ謎の女子だったらしいのですが、その日携帯を忘れた上に体調も芳しくなくて、本当に行った事の無い駅で場所も謎だし辿り着けるかと思いながら交番の人にもお世話になって、やっとこさ辿り着けたので、だいぶ研ぎ澄まされていました。

そんな最初の出会いからメールをしたり、チャイを習ったりしています。
本を読んで、師匠のチャイを飲んで、師匠にチャイを教わって、師匠と話をして、でも本を読んだときの印象から段階を踏んでもこういう人なんじゃないかという想像からずれていないです。あの本を書いた人だと今でも思っています。

師匠に大阪で会って、目の前でチャイを作ってもらって、それはそれは久しぶりに飲んで勿論美味しかったし、師匠が書き綴った過去の文章もくれて、昔から変わらないんだなと思いながら東京に帰りました。




2018年2月7日水曜日

シェットランドシープドックスV4

とっても素敵な二月を迎えています。
一昨日、産まれたときから高校までずっと一緒だった友人が東京に転勤になって、本当に本当に久しぶりに会いました。
最初互いに緊張して待ち合わせ場所に行ったのですが、なんだか久しぶりだけど会ったら普通でした。とにかくどういう人生を歩んだとかそんな話から始まって、産まれたときから一緒にいるようなものなので、小さいときの話をすると尽きなくて。

こういう遊びをやっていたと、とにかく毎日一緒に遊んでいたので色んな記憶が蘇って、なかなか冒険していたし、あれだけの遊びを毎日クリエイトしていたのは凄いなと思います。

去年、実家を片付けに帰った時に小学生か中学生かの時に貰った手紙を発見しました。そのとき二人だけが分かる手紙にしようと多分言っていて、
「シェットランドシープドックスV4へ」と始まり
全文万葉文字でした。

時には二人でタイムカプセルを埋めると言って、家のティッシュの空箱に手紙を入れて木の近くに埋めました。10年後に空けるはずのタイムカプセルを3日で開けました。その時ティッシュの箱だとビチャビチャになってしまって、これだとダメだと、破れたサッカーボールに新しくビニル袋で手紙を包んで入れました。でもまた待ちきれないんです。

思い出してもいっぱい思い出が出て来ます。思い出しか出て来ないです。でもまた新しく素敵な事が一緒に出来るんだと思うととっても嬉しいです。
大人になって初めて一緒に杯を交わした一昨日の事も忘れないです。